「桃太郎」を基にして簡単なプロンプトを書いたら長々と書いてくれました。

桃太郎ではなく、もうちょっと複雑なプロンプトを書いてAIに2万文字度書いてもらい、その後手直しすべきところを指示していけば短編小説が書けそうですね。

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復讐の血脈

第1章 流れ着いた命

それは、深い山奥を縫うように流れる大河のほとりにある、名もない小さな村での出来事だった。 春が過ぎ、初夏の陽光が濃い緑を照らし始めた頃、その村の最も奥まった場所に一組の夫婦が暮らしていた。夫は半蔵、妻はお清という。二人とも働き者で心優しいが、長年子宝に恵まれず、そのことだけが二人の胸に重い影を落としていた。

半蔵は小柄だが筋骨隆々としており、村の男たちの中でも力仕事では負け知らずだったが、どこか抜けているところがあり、お清から「できない人」と呆れられることも多かった。お清は丸々とした体つきで、いつも明るく朗らかだったが、やはり「子を産めない」という世間の視線に人知れず傷ついていた。

その日、お清は川岸に出て、洗濯と軽い漁をしていた。前夜の雨で増水した川は、普段より多くの流木を運んでいた。目を凝らすと、大きな流木に紛れて、何やら黒い四角い木箱が岸辺に打ち上げられているのが見えた。

「これは、異なこと」

お清は周囲を見渡し、人目を避けながら、その木箱をあずま屋へと持ち帰った。ずしりと重く、大人が一人入れるほどの大きさだ。

夕刻、仕事を終えて戻った半蔵は、あずま屋の隅に置かれた見慣れない木箱を見て目を丸くした。

「お清、これは一体どこから？」 「川から流れてきたのさ。何が入っているか、開けてみておくれ」

半蔵は手斧を持ち出し、厳重に釘付けされた蓋の隙間に刃先を差し込んだ。きしりと音を立てて蓋が外れた瞬間、中から微かな泣き声が響いた。

二人は顔を見合わせた。半蔵が恐る恐る中を覗き込むと、そこには布にくるまれた生まれたばかりの男の赤ん坊が眠っていた。

「ああ、神様仏様……」

お清は泣き崩れ、半蔵は呆然としたまま立ち尽くした。不意に、半蔵は赤子の顔を覗き込み、破顔した。 「俺たちの太郎だ。そうだろう、お清。川が運んでくれた、俺たちの子だ」

子どものない夫婦は、この不思議な巡り合わせを天からの授かりものと信じ、その子に「太郎」と名付け、大切に育てることを誓った。

太郎は、その名の通り、村の子供たちの中でもひときわ大きく育った。幼い頃から川の水を飲んで育ったせいか、体つきは半蔵の小柄さとは対照的に、岩のように頑丈で、木立のように背が高い青年へと成長した。その眼差しは真直ぐで、育ての親である半蔵とお清を心から敬愛していた。村人たちも、太郎の生まれの秘密を知りつつも、その素直な性格と人並み外れた力強さを頼りにしていた。

第2章 復讐を誓う若獅子

太郎が二十歳を迎えた年の秋、村の収穫は例年になく豊作であった。半蔵とお清は、太郎に上等な着物を用意し、初の大きな商いとして、彼を隣町の市まで麦を売りに行かせた。

「太郎や、わしらの貯えも持たせた。町でうまいもの食って、土産も買ってこいよ」 「街道は危ない。気を付けて行くんだよ、太郎」

二人の温かい言葉に見送られ、太郎は満面の笑みで村を出た。彼の歩調は力強く、未来への希望に満ちていた。

しかし、その日、静かな村に地獄が訪れた。

太郎が町に向かって半日ほど経った昼過ぎ、山奥から「牙」の紋を掲げた盗賊団が村を襲撃した。彼らは通りすがりの村を襲い、金品を奪い、若い女子供を攫う残忍な集団として、この地方一帯で恐れられていた。

盗賊たちは容赦なかった。抵抗する村人は刀で斬り倒され、悲鳴は瞬く間に血の海に掻き消えた。大方の者たちは虐殺され、小さな子どもや若い女たちは縄で縛られて連れ去られた。日中、畑仕事に出ていて、いち早く山に逃げ込んだわずかな者たちだけが、恐ろしい光景を木の陰から見ることしかできなかった。

夕暮れ、商いを終えた太郎は、胸躍らせて村へと急いだ。村の入り口まで来たとき、異常な静けさに気づいた。鳥の声一つ聞こえない。そして、鼻腔を突く、血と焦げ付いた臭い。

太郎の心臓は石のように硬くなり、足は鉛のように重くなった。

半蔵とお清が住んでいたあずま屋の前は、特に惨状を呈していた。二人は、おそらく盗賊たちに立ち向かったのだろう。戸口の敷居を枕にして、半蔵は頭を割られて絶命していた。その傍らには、半蔵をかばうように横たわるお清が、数カ所を深く斬りつけられ、冷たくなっていた。

「おとう……おかあ……」

太郎は膝から崩れ落ちた。あの温かい笑顔、あの不器用な優しさ、あの心配性の眼差し。すべてが、目の前の残酷な現実によって奪い去られた。

太郎は夜通し、二人の亡骸を抱きしめた。夜明けと共に、生き残った村人たちが集まり、静かに二人の埋葬を手伝った。

育ての親の亡骸が土の下に消えるとき、太郎の心の中で何かが弾け、燃え上がった。それは悲しみだけではない、血を求めて吠える獣のような、純粋な怒りだった。

「俺は……仇を取る。この命に代えても、あいつらを根絶やしにする」

太郎は誰に聞かせるでもなく、低い声で誓った。彼の大きく開かれた二つの瞳は、もはや純朴な青年のものではなく、復讐という名の炎を宿した若獅子のそれだった。彼は、自分が流れ着いた川の木箱の秘密よりも、半蔵とお清にもらった二十年間の愛の方が、何倍も重く、何倍も価値のある真実だと知っていた。

第3章 旅路と根城

太郎は二人の墓前で深く頭を垂れ、町で得たわずかな金と、半蔵とお清が長年貯めてきたわずかな貯蓄、そして育ての親の形見である頑丈な仕込み棒を手に、村を後にした。彼の旅は、物売りの旅ではなく、情報を集めるための旅、すなわち狩りの旅だった。

盗賊団「牙」は、流浪の集団ではない。必ずどこかに根城があるはずだ。

太郎は町から町へ、宿場から宿場へと渡り歩いた。彼は生まれ持った体格と力強さを活かし、日雇いの力仕事や用心棒をして旅費を稼いだ。夜は酒場の隅で、旅人や商人に酒を奢り、耳を澄ました。

「牙の連中は、最近また手荒になったそうだ」 「彼らはこの地方の東にある『蛇頭山（じゃとうざん）』を根城にしているらしいぞ」 「人攫いが多い。若い娘を山奥に連れ込んでいるとか…」情報は断片的で、真偽の定かでないものも多かったが、太郎はそれらを冷静に吟味し、地図上に線を引いていった。

数ヶ月が経ち、太郎の顔つきは旅の風雪に磨かれ、口数は減り、感情を内に秘めるようになった。そしてついに、彼は複数の情報源が指し示す共通の場所、すなわち「蛇頭山」の南麓に存在する、廃寺跡が盗賊団の隠れ家であるという確証を得た。

蛇頭山は、人の往来が途絶えた険しい山域だ。廃寺跡は天然の要害にあり、正面から攻め入るのは至難の業だろう。しかし、太郎の眼は揺るがなかった。目的地が定まった今、次の段階に進むときだった。

復讐は、彼の孤独な戦いではない。多くの村人が犠牲になった。そして、彼らが愛した家族を失った悲しみは、太郎一人だけのものではない。

第4章 集いし四人

太郎は山に入る前に、最後の蓄えを使って、復讐を共にする仲間を集めることにした。彼は仲間を欲しているのではなく、盗賊団を討ち果たすという目的に対して、最も有効な「刃」を欲していた。

まず太郎が声をかけたのは、宿場町の一角で用心棒をしていた又吉という青年だった。 又吉は太郎と同じく盗賊団「牙」によって家族を奪われた過去を持つ。彼の両親は、故郷の村を襲撃された際に殺され、又吉自身も重傷を負って命からがら逃げ延びた。太郎が「牙」の名前を口にしたとき、又吉の双眸は一瞬にして血を帯びた復讐の炎に燃え上がった。

「牙の連中を……やれるのか？」 「必ずだ」 「金はいらねえ。俺の刀が、奴らの血を吸うまで、どこへでもついて行く」

又吉は身の丈に合わないほど長い野太刀を背負っていた。その刀の腕前は驚くべきもので、町での揉め事では常に一閃で相手を制圧していた。彼は怨念を力に変える剣の達人だった。

次に太郎は、半蔵とお清が長年貯めてきた金をはたき、源八という男を雇い入れた。 源八は元猟師で、熊に襲われ家族を亡くし、今は日雇いで生計を立てていた。彼はその猟師経験から、手製の火縄銃の扱いに長けていた。火縄銃は馬上からの戦いには向かないが、遠距離からの精密な狙撃や、待ち伏せには絶大な威力を発揮する。

「一年は食うに困らんだけの金だ。これを受け取ってくれ。俺の親の、汗と涙の結晶だ」 「……旦那、これだけあれば、新しい土地でやり直せる。わしは戦いの素人だが、金をもらった以上、一年分きっちり働かせてもらう。的は外さねえよ」源八は太郎の真摯さに打たれ、報酬を受け取った。彼は、復讐心ではなく、金銭的な約束と太郎の親が残した金の重さを背負って戦う男だった。

最後に仲間となったのは、早紀という名の、細身で美しい娘だった。 早紀は元々、山間を駆け巡る薬草採りの一族の出で、その身のこなしは驚くほど軽やかだった。彼女は村の者たちから「木の精」と囁かれるほど、木から木へと飛び移り、音もなく移動することができた。斥候、偵察、そして何よりも奇襲の際に、彼女の特技は最も効果を発揮する。

「盗賊団を潰すんだって？ いいよ。私が一人でアジトを見てくる。ただし、私が欲しいのは金じゃない。山で一番綺麗な鳥の羽、それだけを土産に持ってきてくれればいい」

早紀は飄々としており、何のために戦うのか、彼女自身にも分かっていないようだったが、太郎の熱意と、彼の抱える悲しみが、彼女を動かしたのかもしれない。四人の異質な才能が、復讐という一つの目的に向かって集結した。

第5章 蛇頭山の激闘

蛇頭山に霧が深く立ち込めた夜、太郎、又吉、源八、早紀の四人は、廃寺跡の根城を目前に控えた尾根で身を潜めていた。

「早紀、頼む」 太郎の指示を受け、早紀は音もなく木々の闇の中へと消えていった。まるで水に溶け込むかのように、彼女の存在は消えた。

半刻(一時間)後、早紀は再び音もなく太郎の隣に舞い戻った。 「十五人。内三人は幹部だろう。廃寺は天然の洞窟の上に建てられていて、正面の石段からの侵入は無理。だが、裏手にある古い鐘楼の横に、岩肌を登れる細い道がある。そこが唯一の弱点だ」

太郎は源八と又吉に目を向けた。

「作戦通りだ。源八、お前の銃で正面を牽制し、奴らの注意を引きつけろ。又吉、お前は俺と共に岩場を登る。早紀は、俺たちが登りきる直前に鐘楼から飛び降りて、裏口を塞いでいる二人の衛兵を殺ってくれ」

「了解だ」

太郎は、親の貯金をはたいて購入したばかりの、鋭い切っ先を持つ長刀を握りしめた。彼の長刀は、その体躯と同じく巨大だった。

真夜中、深い静寂を破って、ドォンという火縄銃の轟音が山間に響き渡った。

火縄銃の閃光が闇を裂き、廃寺の正門近くに座っていた衛兵の一人の胸板を撃ち抜いた。源八の狙いは正確無比だった。

「敵襲だ！」

廃寺の内部は一瞬で騒然となり、十人近い盗賊たちが正面の石段に殺到した。源八は迅速に火薬と弾を込め直し、次の一発を放つまでの時間を稼ぐ。

その轟音と混乱を合図に、太郎と又吉は、早紀が示した裏手の岩肌を駆け登った。太郎は岩に掴まりながら、その巨躯で岩肌を登りきり、又吉がその後に続く。

頂上に着く直前、細くそびえ立つ鐘楼の上から、風切るような音がした。シュッ、シュッ。早紀が放った二本の毒吹き矢が、裏口の衛兵二人の首筋に正確に吸い込まれた。衛兵たちは呻き声一つ上げることなく、膝から崩れ落ちた。

「行け！」

太郎は岩場から鐘楼の裏手へと飛び移り、長刀を抜き放った。廃寺の中庭には、正面の騒ぎを聞きつけ、残りの盗賊たちが武器を持って集まってきていた。

太郎は力で制す。 中庭に飛び込んだ太郎は、まるで暴走した牛のようだった。盗賊たちが繰り出す刀や槍は、彼の分厚い筋肉と固い皮膚に阻まれ、致命傷を与えることができない。太郎は長刀を一閃するたび、二、三人の盗賊を同時に薙ぎ倒した。彼の戦い方は、技術ではなく、純粋な破壊力。盗賊たちの骨が砕ける音、肉が断ち切られる音が、中庭に響き渡る。

又吉は技で切り裂く。 太郎の背後を守る又吉は、その長すぎる野太刀を精密な剣舞のように操った。彼は、太郎が薙ぎ倒した盗賊たちが再び立ち上がろうとする瞬間に、躊躇なく心臓や頸動脈を突いた。又吉の目には殺意しかなく、彼の刃は復讐の熱を帯びていた。彼はただ命を刈り取るためにそこにいた。

源八は遠くから援護する。 正面の尾根に陣取る源八は、冷静に銃を構えていた。彼は、中庭で仲間を追い詰めている盗賊団の幹部らしき人物の動きを注視していた。ドォン！ 別の角度から放たれた銃弾が、太郎に飛びかかろうとした盗賊団の首領格の右肩を砕いた。首領は激しい痛みに絶叫し、動きが止まる。その隙に、太郎が長刀を振り下ろし、首領の首が地面に転がった。

早紀は闇を舞う。 早紀は中庭の影から影へと移動し、敵の背後に回り込んでは、手裏剣や毒の吹き矢で、手負いの盗賊や、太郎たちの死角にいる盗賊を無力化していった。彼女の動きは人間離れしており、盗賊たちから見れば、まるで亡霊に襲われているようだった。

激戦は、血と硝煙の匂いと共に、瞬く間に最高潮に達した。

盗賊団は残り五名となった。彼らは幹部と古参の精鋭たちであり、必死になって反撃に出た。一人が太郎の腕に深い傷を与えたが、太郎は構わず、その男を仕込み棒で地面に叩きつけた。頭が割れて脳漿が飛び散った。

「太郎、気をつけろ！」

又吉が叫んだ。残りの幹部三人が、又吉と太郎を取り囲むように迫ってきた。一人は双剣、一人は分銅鎖、そして最後の幹部は、村で半蔵を殺したかも知れない、血のシミが付いた大斧を持っていた。

双剣の男が又吉の長太刀のリーチを嫌い、素早く潜り込んで胴を狙う。又吉は、わずかに体を捻り、刃を腹部に受けながらも、その力を利用して野太刀を振り抜き、双剣の男の首を刎ねた。

「二人だ！」

分銅鎖の男が、又吉の動きが止まった一瞬を狙い、鎖を又吉の首に巻きつけようとした。又吉は受け太刀で鎖を切り裂こうとするが、鎖は硬い鉄でできており、野太刀が弾かれる。又吉の首が鎖に締め付けられ、顔が紫色に変わっていく。

「やめろ！」

太郎が叫び、大斧の男と分銅鎖の男の間に割り込んだ。太郎の長刀と大斧が激しく打ち合い、火花を散らす。太郎の圧倒的な膂力に、大斧の男の腕が震える。

その瞬間、鎖から解放された又吉は、最後の力を振り絞った。彼は野太刀を両手で持ち直し、分銅鎖の男に向かって突進した。その一撃は、復讐の念の塊であり、男の体を貫いた。

しかし、貫いた野太刀を抜く前に、大斧の男がその隙を見逃さなかった。大斧は血を撒き散らした又吉の背中に深く食い込み、又吉は前のめりに倒れ込んだ。

「又吉ィ！」

太郎の怒りの雄叫びが響いた。彼は最早、戦術も技術も捨てた。大斧の男が次の攻撃に移る前に、太郎は長刀を投げ捨て、そのまま素手で大斧の男に組み付いた。

太郎の力は常人の域を超えていた。彼は大斧の男の両腕をねじ曲げ、骨をへし折った。悲鳴を上げる男の首を掴み、そのまま岩の地面に叩きつけた。二度、三度。頭蓋骨が砕ける鈍い音が、激しい戦いの終わりを告げた。

残る盗賊はあと二人。幹部ではないが、死に物狂いの二人は、太郎の姿に恐れをなし、逃げようとした。早紀と源八は、その二人を逃がさなかった。源八の最後の一発が一人を仕留め、早紀が木々の間を飛び移りながら、もう一人の背中に手裏剣を打ち込んだ。

静寂が、廃寺跡に訪れた。

太郎は血塗れで、全身から湯気を立てていた。彼は又吉の亡骸のもとへ駆け寄った。又吉の目は開かれたままで、そこにはもはや憎しみも復讐の炎もなく、ただ、満足したような、静かな光だけが宿っていた。

「仇は……とったぞ、又吉」 太郎の唇から、絞り出すような声が漏れた。

夜が明ける頃、三人は又吉の亡骸を山奥の静かな場所に埋葬した。刀を手放すことのなかった男のために、彼の野太刀も共に土に還した。

別れを告げた三人は、血と泥に汚れたまま、蛇頭山を後にした。復讐は果たされた。だが、太郎の心に残ったのは、親の仇を討った達成感ではなく、守れなかった命、そして復讐のために失われた仲間の命に対する、深い悲しみと、空虚感だった。

彼らは重い足取りで、それぞれの帰途につくのであった。

　　　　おわり

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