最近、地方医学部を舞台にした漫画『Dr.Eggs』などで、外科医の過酷な現状が描かれ話題になっています。

実はこれはフィクションではなく、日本の医療現場で実際に起こっている深刻な問題です。

2023年12月16日、日本循環器学会は「わが国の心臓血管外科医療を守る」という危機的な声明を発表しました。

このままでは心臓血管外科を担う医師が減り続け、「医療の持続が危うくなる」という切迫した状況が明らかになったのです。

この記事では、なぜ若手医師が心臓血管外科を避けるのか、その背景にある構造的な課題を分かりやすく解説し、私たちができることを考えます。

💔 なぜ、心臓血管外科医は減っているのか？3つの大きな壁

心臓血管外科は、命に直結する重責な診療科でありながら、医師が定着しにくい理由として、主に以下の3つの要因が挙げられます。

1. 🚶 長すぎる道のりと、重すぎる責任

心臓血管外科医として一人前になるには、卒後10年以上の経験が求められます。

専門医試験の合格者平均年齢は37歳と、非常に道のりが長いです。

高い専門性:

手術技術だけでなく、術前後の全身管理や緊急時の判断など、幅広い能力が不可欠で、生涯にわたる学習が必要です。

重い心理的負担:

結果が患者さんの生命に直結するため、日々の精神的なプレッシャーは計り知れません。

2. 💸 専門性に見合わない日本の「待遇」

アメリカでは、心臓外科医の年収中央値が約95万ドル（約1.4億円）と、他の医師の2倍以上であり、「最も高収入な診療科」の一つです。

しかし、日本では診療科による給与差が小さいのが実情です。

比較項目	日本の状況	米国の状況 (一例)
専門性への評価	高難度手術や長時間労働が給与に反映されにくい。	高難度手術が報酬に大きく反映される。
手術手当	導入されていない施設が多く、全国的な普及に至っていない。	高い報酬に結びついている。

病院の財源的な余裕のなさから、過酷な労働に見合う柔軟な処遇改善が進まない構造が問題となっています。

3. ⏳ 過酷な「労働環境」と「地方集中」の構造

心臓血管外科医の業務は、長時間の手術だけではありません。緊急手術も多く、24時間対応が避けられません。

終わらない業務:

日常診療、患者・家族への説明、術後管理、書類作成など、手術以外の業務が山積みです。

タスクシェアの困難さ:

医師だけでなく、他の医療スタッフも人手不足のため、業務の分担（タスクシェア・シフト）が十分に進んでいません。

特に地方では、わずか2〜3人の外科医で診療を維持している小規模施設もあり、高齢化や新人医師の確保の難しさから、体制の維持そのものが危うくなっています。

💡 医療の未来を守るためにできること

心臓血管外科医の減少は、将来、私たちが高度な医療を受けられなくなることを意味します。

この危機を乗り越えるために、学会は国民への協力を呼びかけています。

1. 📢 「声」を届ける：国や自治体へ

心臓血管外科のような高難度治療を担う診療科の重要性と、その現場の課題を理解し、その思いを国・自治体・病院へ「声」として届けることが、政策を動かす力になります。

2. 🏥 医療資源を「守る」行動：適正利用を

救急の適正利用:

救急車を呼ぶべきか迷う場合は、相談窓口を利用するなど、本当に必要な人のために救急資源を守る行動。

かかりつけ医の活用:

普段から相談できる医師を持ち、重症化する前に治療を受けることで、大病院や救急の負担を減らす。

これらの行動は、医師の過重労働を軽減し、医療資源を守ることにつながります。

3. 🤝 若手育成を「支援」する

寄付やクラウドファンディング、NPO活動などを通じて、教育環境の整備や若手医師の育成を支援することも、未来の医療を守る大きな力になります。

心臓血管外科や、24時間対応を迫られる循環器内科の医師の献身に頼る現状を変えなければ、日本の高度な循環器医療は維持できなくなります。

私たち一人ひとりの理解と行動が、未来の命を守ることにつながります。

ぜひこの問題を周囲にシェアし、皆で日本の医療を守っていきましょう。

👄ひとこと

アメリカの医師の年収高！

アメリカの医療費は異常なくらい高いですので、人件費もガンガン出せるのでしょう。

盲腸炎の手術費用は

合併症なし（一般的な手術）約150万円 ～ 525万円
合併症あり・破裂を伴う場合　約450万円 ～ 900万円以上💦

医療保険に入った時の保険料は

企業提供の団体保険　家族 (Family)　約345万～405万円
個人負担額は年額69万～81万円←これでも高い

個人保険 (ACAなど)4人家族の場合の負担額は年額約300万～384万円😨

アメリカに旅行に行く場合は、日本国内の医療保険に入っておきましょう。

🌷直美（ちょくび）

医学部を卒業してすぐに美容整形外科医になることを言います。

美容整形は自由診療なので儲かります。

直美が増えていたそうですが、できなくなるようですね。

　

　　

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