ついこの間、このようなお問い合わせをいただきました。
ホームページの「よくある質問」でも書きましたが、今回は実例を挙げて説明させて頂こうと思います。
午前中に問い合わせの電話がかかってきました。
「看護師になりたいと思っているのですが、どこを受けたらいいのかよくわからなくて。」
とのことでした。
「勉強からだいぶ離れていたもので何も覚えていない状態ですし、歳を取っているので覚えるのも遅いと思います。私・・・、今年で53になるんです。」
さすがに驚きました。
50代の方からの問合せは初めてだったからです。
そして、合格点を取ったとしても合格させてくれるのだろうか?という疑問が頭によぎりました。
卒業時には56歳ですから、定年を60歳とした場合、実働4年のみとなります。
(その後、最高齢の現役看護師の方が何歳かについて聞いて周った結果、72歳で現役バリバリの方がおられ安心いたしました。)
「私は、看護師助手をしていたことがありまして、その時に看護師になりたいなあと思っていました。」
「シングルマザーでずっと忙しくしてきましたが、昨年やっと子供が独立しました。長年の夢をかなえるというか、一度だけ挑戦してみたいと思いお電話させてもらいました。」
「今回受けてみて、だめならあきらめます。」
控えめですが、ご自分の歴史の中に看護師としてのページを付け加え、キャリアの最後を看護師で締めくくりたいという思いが強く感じられました。
受験科目は国語と生物基礎を選択されました。
(現在、生物基礎を受験科目としているのは「はくほう会」だけになりましたが、数年前までは、神戸看護、西神看護、はくほう会、平成淡路などで受験科目とされていました。)
仮にこの方をMさんとお呼びすることにします。
Mさんのすばらしいところは、あらかじめお願いした手順通りに進めてくれたところです。
国語は、
①本文を読む。
↓
②設問の選択肢を意味のかたまりで2つか3つに分けて解釈する。
↓
③それらが本文に書いてあるかどうか精読する。
↓
④選択肢に「本文の記述と反する箇所」「本文の記述に書いていない箇所」「本文の表現と比較して言い過ぎている箇所」がないか探す。
↓
⑤本文の記述と比べ、選択肢の「反する・書いていない・言い過ぎ」の部分に小指の長さ程度の傍線を引く。
↓
⑥答え合わせの際に、傍線部分の指摘が合っていたら◯とカウントする。
↓
⑦得点80点、間違いの指摘 18問正解/20問中 などと記録する。
↓
⑧間違いの指摘が不正解の場合、もう一度考え直してみる。
選択肢の間違っている箇所とその理由に納得がいくまで繰り返し考えてみる。
生物基礎は
①講義を聞いた後、テキストを読み返し、覚えて置くべき言葉、図などをノートに書き出す。
↓
②定義が曖昧な言葉は定義を確かめて確定させる。
↓
③重要な図を再現できるようにする。
↓
④Theme(テーマ)の最後の「確認テスト」をノートに解く。
↓
⑤ヒントなしに完全に解けるまで繰り返す。
解答を暗記しないようにすること。
↓
⑥各部の最期のCHECK TESTの全問を解ける用意なるまで繰り返し解く。
解答を暗記しないように、復習をしながら解く。
当校では、上記のような学習の手順を示しているのですが、この通りすすめてくださいました。
時間がかかるため、進度は遅めでしたが、とても緻密に復習をしながら進めておられました。
質問数は群を抜いて多かったです。
この様な勉強方法で進めて頂ければ、どれだけ勉強から離れていても、あるいは初めて勉強する場合でも、受験勉強に成功するでしょう。
ポイント
・教材で示された進め方に従って進めてください。
(進め方はそれぞれあると思います。)
・納得いくまで理解して覚えるようにしてください。
(丸暗記で済ましてしまわないようにしましょう。)
Mさんはこのようにして受験勉強を進めて行かれました。
入試を3日後に控えた日、
Mさんから連絡がありました。
「もう入試が近いので最後の質問をよろしいでしょうか?」
それから1時間ほど質問をされました。
曖昧な点をひとつひとつ潰していくような感じでした。
そして、Mさんから
「おかげさまで合格していました。」
との連絡が入りました。
予備校・塾・参考書においては、それぞれ最適化された学習手順があります。
学習手順の中に、合理的な復習の仕方や暗記の仕方がしめされているはずです。
学習手順が示されていない場合は、復習ができるようにご自分で計画してみましょう。
以前、京大生7名と合理的な基礎知識(数学・英語など)の習得法を話し合った時に出た結論は、全員一致しました。
それは、薄いテキストを20回30回と繰り返して勉強するというものでした。
経験則から、自分もその方法が一番有効だと思います。
<今日のまとめ>
示された学習手順に従って勉強を進めましょう。
丸暗記を捨てて、納得の行くまで理屈でおぼえましょう。
英語・数学など、全体の概念の理解が必要な科目は、薄いテキストを20回ぐらい繰り返し詠んだり解いたりしましょう。
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