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「嫌われる勇気」でお馴染みのアドラーの教え

アドラーとは?

アルフレッド・アドラーは、フロイト、ユングと並ぶ心理学の三大巨頭です。

フロイトは人の行動は、無意識が原因となっていると考え、ユングは人類共通の「普遍的無意識」があると考えました。

両者とも、心の分析を中心に研究しました。

アドラーは両者と全く異なります。

心の分析をするよりも、これからのことのみを考えます。

過去は関係ない、トラウマもない説き、「こんなふうに生きたほうがより自分が生きやすくなるよ」と説くわけです。

そして、「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と断言するのです。

現代社会にも通じる教えであるのです。

アドラーの教え

1.人間の行動にはすべて目的がある。

つまり、今あるあなたの環境は、あなたがそうなるように選択して行動してきた結果だとアドラーは説きます。

たとえトラウマについても、トラウマが現在の不幸を引き起こしているのではなく、いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもないと言っています。

例えば、怖くてなかなか外出できない人がいる場合、「外出しない」という目的があり、その目的を達成するために不安や恐怖を自分自身でつくり出していると説くのです。

ですので、どのような困難が生じても、積極的に、主体的に選択することによって解決できるのできるのです。

2.人は皆対等であり、平等であり、やがて共同体感覚を生み出す。

人はお互いに信頼し、尊敬し合うヨコの関係が構築されている。

そして、そのような人々の関係が共同体感覚を生み出す。

そこに人は充実と幸せを感じるのである。

タテの関係は、「上から下への支配」「下から上への依存の関係」が構築されていることになります。

3.課題の分離

自分が決めることと、相手が決めることを分けて考え、相手が決めることについては相手任せにするようにと説きます。

たとえば、学校帰りや仕事帰りに、Cさんから「今から遊びに行こう」と誘われたとします。

Aさんの場合

自分の用事があるので、「今日は用事があるので、次回またね。」と答えました。

Bさんの場合

自分の用事があるけど、誘いを断るとCさんが気を悪くするといけないので、「遊びに行くよ。」と答えました。

アドラーはAさんの対応を勧めています。

「用事があるのでCさんのお誘いを断る」というのはAさんが決めること、つまりAさんの課題です。

「誘ったのに断られて○○○と思った」というのはCさんの感じ方、つまりCさんの課題です。

AさんはAさんの課題だけ気にしていればいいとアドラーは説きます。

Cさんがどう思うかはCさんの問題というわけです。

AさんがCさんの課題をいくら考えてもコントロールすることはできません。

もしCさんが「私の誘いをよくも断ったな!」というような人であれば、早めに嫌われた方が正解かもしれませんね。

4.勇気付け

勇気付けとは、困難を克服するための内なる活力を高めることです。

それは「不完全である勇気」と呼ばれます。

「不完全である勇気」=不完全な状態であるときも挑戦してゆく勇気のことです。

「完全に準備が整うまで挑戦しない」となると、いつまで立っても挑戦できません。

また、「完全な状態」から挑戦をすると、「失敗」を怖がって大した挑戦ができなくなってしまいます。

まさに、「思い立ったが吉日」というのが正しいということになります。

多少準備が整っていなくても、「始めてしまう」「挑戦してしまう」というのがまさに「不完全である勇気」なのです。

5.ライフタスク

人は誰もが「仕事」「交友」「愛」というライフタスクに直面します。

すべての悩みもそこに生じるとアドラーは説きます。

「仕事<交友<愛」の順番で関係が深くなり、難度が増してゆきます。

仕事に明け暮れている人のライフタスクは「仕事」のみ。

友達と遊ぶのが大好きで、頻繁に仕事を休んでキャンプに行く人のライフタスクは「交友」のみ。

周囲との交友を絶ち、仕事をおろそかにして、愛するパートナーと共に過ごす人のライフタスクは「愛」のみ。

そのようにならないようにライフタスクのバランスをとるのことが大事だといえます。

日頃は仕事をこなし、推しのアイドルのコンサートに年間を通して通い、愛情を捧げ、ファンコミュニティーで情報交換をしている人は、「仕事」「交友」「愛」のすべてのライフタスクを満たしているように見えます。

しかし、それは特定のアイドルを推すことによって、お手軽にドーパミンを分泌させているのではないかと思われます。

「仕事<交友<愛」の順番で人間関係が深くなり、難度が増してゆくという段階がありません。

飲酒することよってドーパミンをドバドバ分泌させるのと似ています。

同じ刺激(飲酒のように)でドーパミンを分泌させると刺激に慣れてしまうので、もっと刺激を与えなければならなくなります。

一日中飲酒をしたり、すべてのコンサートに参加して、全てのグッズを買うようになっていきます。

すなわち、中毒になってしまうのです。

職場関係の人々がおり、友人や地域の知り合いがおり、親や親族やパートナーがいて、それぞれと適切な関係を持つのがライフタスクです。

自分は今どのライフタスクに、どのように取り組んでいるのか?を確認してみましょう。

ライフタスクに取り組みながら、人を独立した平等な存在と認識して、適切な行動を取ることによって、高い共同体感覚を得ることが幸福感につながると説かれています。

6.ライフスタイル

ライフスタイル=「性格」という概念を含んだ行動パターンのことです。

7歳ぐらいに型が決まるとのことです。

自分にいくつかライフスタイルを用意して使い分けると良いとアドラーは言います。

アドラーの教えの根幹は「自分で変えられる」というところですので、これらは「変わる勇気」とされています。

7.意味付け

私達は現実に自分でかってに意味付けをして見ているのだとアドラーは言います。

そして、自分の意味付け(自分の仮説)が正しい理由を探しながら生きているとも言っています。

人は真実をそう簡単に知ることはできませんが、自分が見分したほんの一部の事柄から、全体を「想像」して意味づけしているのです。
つまり、自分の都合の良いように想像しているわけです。

ただし、ネガティブな意味付けをすることが多いと指摘されています。

どう意味付けるかは子供の頃の影響が大きいようです。

ですので、自分がどう意味付けしているのかを分析して自覚すべきだと説いています。

意味付けはいくらでも変えられるので、より良い意味付けををしていくべきだとも説いています。

「人生観」や「世界観」を考えてみると、自分の意味付けに気付きやすいようです。

意味付けの例

知り合いのAさんとすれ違ったので軽く挨拶をした。(事実)

ところが、目も合わさずに無言ですれ違った。(事実)

きっと、先週ランチに誘われたのを断ったので仕返しをしているのだろう。(意味付け=仮説)

そういえば、先日、Aさんが向こうからやって来ていたのに急に曲がったのは、私に会いたくなかったからに違いない。(自分の意味付けが正しい理由)

二度と挨拶なんかしてやるものか!

事実は、「軽い挨拶をした。すれ違ったときに返答がなかった。」というだけです。

なぜ返答がなかったのかは知り得ないので、自分の課題はこれで終了です。

その後、Aさんが自分に対してどのような態度を取るかは、Aさんの課題なのでAさんに任せるしかありません。

実際は、「軽い挨拶をAさんが気付かずに通り過ぎた」だけ!というのが実情でしょう。

めったにないですが、知人とのやり取りや、第三者から情報で、

「あれ?なんか違和感感じるなー」という時もあったりしますが、自分の課題ではないのでそのままスルーするか、相手方の人格に注目して、「なんかの間違いだろw」と良い意味付けをするようにしています。

とても気楽でいいです。