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AIが履歴書を書き、AIが面接をする時代?

近年、めざましい進化を遂げている生成AI。その影響は、私たちの働き方、そして「職探し」のあり方にも大きな変化をもたらしています。まるでSF映画のような話ですが、今やAIが履歴書を書き、企業に山のように送られてくる履歴書をAIが選別し、さらにはAIが面接官を務める……そんな時代が到来しつつあるのです。

  

LinkedInに殺到するAI作成履歴書:採用現場の現実

ニューヨーク・タイムズの報道によると、ビジネス系SNSのLinkedInでは、2025年にはなんと1分間に1万1000件もの履歴書が提出されているそうです。これは、わずか1年前から45%もの増加。この膨大な数の背景には、AIが作成した履歴書が大きく寄与しています。

ChatGPTをはじめとするAIチャットボットの登場以来、求職者向けのAIツールが飛躍的に発展しました。履歴書の作成はもちろん、職探し、面接のスケジュール調整まで、求職に関わる多くの作業をAIが代行できるようになり、求職者は驚くほど簡単に複数の企業に応募できるようになりました。


「応募が多すぎる!」企業側の悲鳴とAIへの不満

しかし、このAIによる効率化が、企業側には新たな課題を突きつけています。あまりにも多くの応募が殺到し、企業はそれらを処理しきれず、結果的にまたAIに頼るという皮肉な状況が生まれています。

あるコンサルタントは、単一のリモートワーク職の募集に1200件もの応募が殺到し、募集を停止せざるを得なかったと語っています。この状況に不満は募る一方で、AI企業であるAnthropicですら、求職者に対し応募時のAI使用を控えるよう忠告するほど深刻です。


AIが求職者を「さばく」時代へ:新たな採用ツール

一方で、企業側もこの状況に対応するため、AIを活用し始めています。LinkedInがリリースした採用担当者向けのAIツール「Hiring Assistant」は、求職者の選別や面接のスケジュール設定、さらにはフォローアップまでを自動で行います。

しかし、AIに頼りすぎることで批判を浴びるケースも発生しています。AI面接官が不具合を起こす動画が話題になったり、そもそも求職者自体がこの世に存在しない、という衝撃的なケースも報告されています。特にフルリモート勤務の職種では、産業スパイがディープフェイクを使って面接に臨む、といった信じられないような事例も起きているのです。


履歴書は「ノイズ」に? 未来の採用はどうなる?

このような状況に対し、ディープフェイク検知ツール「Persona」のように、AIによるなりすましをブロックする技術も登場しています。Personaは2024年だけで7500万件以上のAIによる顔認証なりすましをブロックした実績があり、テクノロジーの進化が新たな問題と、その解決策を生み出していることがわかります。

テクノロジー系メディアのArs Technicaは、現在の状況を「誰でも数回のプロンプトで自分に合った履歴書を生成できる時代において、かつては努力や興味関心を示す文書だったものが、単なるノイズに成り下がってしまいました。もはや履歴書は無意味なものになってしまったのかもしれません」と厳しく評価しています。

そして、「未来の雇用は、履歴書を完全に放棄し、対面でのセッションや試用期間などを用いた、AIが容易に再現できない方法を採用するものになるのではないでしょうか。究極的には、AIが他のAIを面接し、AIが仕事をして、我々人間はビーチでくつろぐようになるのかもしれません」と、示唆に富んだ未来像を提示しています。

AIの進化は、私たちの仕事探しや採用のあり方を根本から変えようとしています。人間らしさや、AIでは代替できない本質的な能力が、今後ますます重要になってくるのかもしれませんね。

 

 

  

 

  

    

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