
私立中学校に入学させるために、我が子にお受験をさせる家庭が増えています。
東京では、小学生の5人に1人が中学受験をする計算になります。
できるだけレベルの高い中学校、高等学校に進学して、レベルの高い大学に進学できるように備えようということだと思います。
なぜそのように備えるのかというと、レベルの高い大学を卒業することで、より安定した、より給与の高い企業に就職できる可能性が高いと考えておられるからだと思います。
確かに、政府系の組織(倒産しない)や、トヨタや三菱商事(倒産しにくい)に就職しようと思えば、東大や早稲田、慶應を卒業していたほうが面接で有利になりそうです。
また、就職後も学閥があるところが多いので、自分と同じ大学出身者の先輩から贔屓してもらえるということもあるあるだと思います。
つまり、ハイレベルの大学を卒業することと、政府系の組織や一流企業に就職しやすいということの間には相関関係がありそうですね。
実際、国家公務員総合職試験(財務省などの省庁に入省するための採用試験)では、東大が2位の京大の2倍の合格者数を誇っており、ダントツです。
では、レベルの高い中学、高校に進学したことと30代になった頃の年収の多寡については相関関係があるのでしょうか?
個人の事例としては、相関関係があったりなかったりすると思いますが、統計学的に考えた場合とします。
結論としては、「はっきりとした相関関係は見られない」ということになるそうです。
教育経済学(教育の効果を数量的データで検証する学問)によって調査分析された結論ということです。
模試で80点を取ったとしても、
一番レベルの高い高校では90番だけれども、
普通のレベルの高校では1番だったりします。
90番だった生徒は、自分に自身を失っていきます。
一方、1番だった生徒は自己肯定感が爆上がりするでしょう。
そして、1番だった生徒はその後伸びる可能性が高くなります。
子供の頃は同級生と比較して自分の価値や力を判断するため、高い実力を持った集団の中では、多くの生徒が自信を失っていきます。
客観的なデータはどうであれ、自己肯定感が高く、自分に自信を持つということがとても大切だと教育の専門家は述べています。
その生徒にとって得意なものや分野を発見させてくれる教育環境がとても大事だとも述べています。
そのようであるならば、無理してレベルの高い私立中学へ通うと子どもの自信を失わせてしまうかもしれません。
いわゆる「働きアリの法則2:6:2」により、下位2割は深海魚になる可能性が高いからです。
深海魚と呼ばれる彼ら彼女らも、普通の中学校に通えば優等生なのです。
結論としては、お受験して東大等に進学できれば有利なポジションに付くことができるでしょう。
しかし、お受験して中間層以下になってしまえば自信を失う結果となる可能性が高く、公立校に進学し上位にいた方がいいかもしれません。
ただし、もし努力していても途中で成績が落ちてきたら、第二の目標を作ってあげるとよいのではないでしょうか。
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