久しぶりに男性の友人に会ったとき、「あれ、昔よりなんとなく雰囲気が柔らかくなったな」「やっぱり子供ができると変わるんだな」と感じたことはありませんか？
「寝不足で疲れているだけだろう」とか「守るものができて落ち着いただけ」なんて思うかもしれませんが、実はその変化、体の内側で起きている劇的な「ホルモン調整」の結果かもしれないのです。
米ノートルダム大学の研究チームが発表した最新の研究（2025年10月）によると、父親の体では私たちが想像している以上に長く、そして深い変化が起きていることが分かりました。
1. 5,000人を追跡してわかった「父親のテストステロン低下」
男性ホルモンの一種である「テストステロン」は、筋肉や骨格を作ったり、競争心や攻撃性に関わったりするホルモンとして知られていますが、実はこれが「父親になると低下する」ということが分かっています。
これまでの研究では「乳幼児期（赤ちゃんのお世話が必要な時期）」に一時的に下がると言われていましたが、今回のノートルダム大学による約5,000人の男性を対象とした大規模調査で、さらに驚くべき事実が判明しました。
💡 新発見：ホルモンの低下は「一瞬」ではない
父親のテストステロン低下は、赤ちゃん時代だけでなく、子どもが小学生になっても、反抗期を迎える思春期になっても続いていたのです。
2. なぜ下がる？それは「最強のパパ」になるための進化
「男性ホルモンが下がる」と聞くと、「元気がない」「不健康」といったネガティブなイメージを持つかもしれません。
しかし、子育ての文脈においては全く逆です。
研究チームは、この変化を「良い父親になるための適応的な変化」である可能性が高いとしています。
攻撃性の低下:
不要な闘争心を抑え、家族との協調性を高める。
感受性アップ:
子どもの泣き声や感情の変化に気づきやすくなる。
世話焼きモード:
注意の対象を「外での競争」から「内（家庭）での養育」へシフトさせる。
つまり、体が勝手に「戦闘モード」から「育児・守護モード」へとギアチェンジしてくれているのです。
3. 思春期まで続く理由
では、なぜ乳幼児期だけでなく、思春期までその状態が続くのでしょうか？
想像してみてください。反抗期の子どもと向き合うとき、親に必要なのは「力による制圧」ではなく、「忍耐」と「対話」です。
もしここでテストステロン全開の攻撃的な状態でぶつかってしまっては、家族関係は崩壊してしまいます。
子どもが自立するその時まで、父親の体はホルモンレベルで「我慢強く、優しく見守る機能」を維持し続けているのかもしれません。
おわりに：変わってしまったのではなく「バージョンアップ」した
もし、あなたの周りの新米パパやベテランパパが、昔より少し「丸く」なっていたとしたら、それは彼らが弱くなったわけではありません。
子どもを育て、家族を守るために、生物として正しく「父親仕様にバージョンアップ」した証拠なのです。
実 感
知り合いにパパ歴１年目の男性がいますが、お子さんの話をするともう顔がニヤけて止まりません。
テストステロンは分泌されてなさそうです。
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