
小さなお子さんをお持ちの皆さん、またはこれから子育てを始める皆さんは、幼児教育の方法について考えたことがあると思います。
数ある教育法の中でも、世界中で実践され、その効果が注目されているのがモンテッソーリ教育です。
モンテッソーリ教育はまさに、その「自分でできる」という子どもの自主性を最大限に引き出すことを目指した教育法です。
モンテッソーリ教育とはどんな教育法?
モンテッソーリ教育は、今から100年以上前、イタリアの医師であるマリア・モンテッソーリによって考案されました。
彼女は、子どもたちの**「自己教育力」**、つまり「子どもには自ら成長する力が備わっている」という素晴らしい力を信じていました。
この教育法の根幹にあるのは、子どもたちが**「お仕事」と呼ぶ活動に、自分の興味や関心に基づいて集中して取り組めるように、整備された環境と専用の教具を提供することです。
大人は、子どもたちの活動を一方的に教え込むのではなく、あくまで援助者**として、そっと見守る役割を担います。
例えば、モンテッソーリ教育の教室には、日常生活の動きを練習する教具(ボタンをはめる練習、靴ひもを結ぶ練習など)、感覚を磨く教具(色板、音筒など)、そして言語や算数の基礎を学ぶための教具などが秩序だって並んでいます。
子どもたちは、これらの教具の中から、その時の自分の発達段階や興味に合ったものを選び、納得がいくまで繰り返し取り組みます。
モンテッソーリ教育で育まれる5つの分野
モンテッソーリ教育では、子どもの発達を促すために、主に以下の5つの分野が大切にされています。
分野名 | 概要 | 育まれる力(例) |
---|---|---|
日常生活の練習 | 着替え、食事の準備、掃除など、生活に必要な動作 | 自立心、集中力、手先の器用さ |
感覚教育 | 視覚、聴覚、触覚など五感を研ぎ澄ます活動 | 感覚の識別力、秩序性、論理的思考力 |
言語教育 | 読み書きの準備、言葉の獲得、表現力 | 語彙力、読解力、表現力、コミュニケーション能力 |
算数教育 | 数概念の理解、四則演算の基礎 | 論理的思考力、問題解決能力、数に対する興味 |
文化教育 | 地理、歴史、生物、科学、芸術など | 探究心、知的好奇心、国際感覚、多様な視点 |
これらの活動を通して、子どもたちは自然と自主性や集中力、自立心、そして責任感などを育んでいきます。
子ども自身が「できた!」という達成感を積み重ねることで、自己肯定感も高まります。
なぜ今、モンテッソーリ教育が注目されるのか?
近年、子どもの非認知能力(協調性、忍耐力、好奇心など数値では測れない能力)の重要性が注目されていますが、モンテッソーリ教育はまさに、このような非認知能力を育むことに長けています。
子どもが自ら選択し、失敗しながらも試行錯誤を繰り返す中で、粘り強さや問題解決能力が培われます。また、自分のペースで集中して取り組むことで、集中力が飛躍的に向上します。
「うちの子、集中力がなくて…」「何でも手伝ってあげてしまうけど、本当にこれでいいのかな?」と感じている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
モンテッソーリ教育は、そんな悩みに寄り添い、子どもたちが本来持っている力を信じ、引き出す手助けをしてくれるでしょう。
モンテッソーリ教育は、子どもの成長を信じ、その可能性を最大限に引き出すための素晴らしいアプローチです。
ご興味を持たれた方は、ぜひお近くのモンテッソーリ園の見学に行ってみたり、関連書籍を読んでみたりしてはいかがでしょうか。

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