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AIが包丁の性能を分析してみたが

この記事では、元マイクロソフトのエンジニア、スコット・ハイメンディンガー氏が立ち上げた「Quantified Knife Project(定量化ナイフプロジェクト)」を紹介します。
彼は、切れ味を客観的に数値化するために、ロボットアームを使って膨大なデータを収集しました。

切れ味を科学するロボットアーム

ハイメンディンガー氏は、家庭用超音波ナイフの開発を行う傍ら、趣味のプロジェクトとしてナイフの切れ味をデータで評価しようと試みました。

彼は21本のナイフを用意し、それぞれをロボットアームに装着。

トマト、ジャガイモ、チーズ、ニンジン、パンの5種類の食材を、各5回ずつスライスするテストを繰り返しました。

このテストでは、以下のデータを収集しました。

切断時の力:
食材の下に置かれたスケールで、刃が食材を通る瞬間の力をグラフ化。

BESSテスト:
刃物の鋭さを測定するテストで、合成ワイヤーを切断するのに必要な力を計測。

CATRAテスト:
切れ味の持続力を数値化するテスト。

この徹底したテストにより、彼は10万件ものデータポイントを収集しました。

意外なテスト結果と「カオス」な事実

熱心なナイフ愛好家にとって興味深いのは、そのテスト結果です。

総合ランキングでトップ3に輝いたのは、

Shun Classic(貝印の旬シリーズ)

Moritaka Hamono(盛高鍛冶刃物)

TOJIRO Professional(藤次郎)でした。

※すごい!全て日本製です!

しかし、ハイメンディンガー氏が最も驚いたのは、5位から19位までのナイフのデータが「とても散らばっている」ことでした。

彼は、「トマトを切るのが得意なナイフは、ジャガイモも得意だろう」と考えていましたが、実際はそうではありませんでした。

食材によって得意・不得意が大きく分かれる傾向が見られたのです。

この「カオス」な結果こそが、科学の面白さだと彼は言います。

今まで誰も試さなかったこのテストによって、「トマトに適したナイフとジャガイモに適したナイフは違う」という新しい事実が明らかになったのです。

ちなみに、皮がすっと切れるトマトに最適なナイフは、Wüsthof Amiciだったそうです。

データだけではわからない「あなたのお気に入り」

この記事の筆者は、自身が愛用するグレステンのナイフを持参し、テストに参加しました。

結果は、新品のナイフに比べて切れ味が落ちていたため、当初は21本中2番目に悪い成績でした。

しかし、専門の研ぎ師に研いでもらった後、再度テストをすると、見事ランキング8位にまで順位を上げました。

ハイメンディンガー氏のデータは非常に興味深いものでしたが、筆者は、ナイフ選びには「主観的な要素」も重要だと感じています。

例えば、ハンドルの握り心地、ナイフの重さ、指が当たる部分の形状など、データでは測れない個人の好みがたくさんあります。

ハイメンディンガー氏もその点を理解しており、「ナイフの性能はひとつの答えでは決まらない。

手に取って、自分と相性が合うか見てみるのが大切だ」と語っています。

結局のところ、データはあくまでもナイフ選びの参考になるもの。

最終的にどのナイフを「最高」と感じるかは、使う人それぞれの感覚に委ねられるのです。

AIやロボットがもたらす変化は、単に仕事を奪うだけではありません。

今回のように、膨大なデータを収集・分析し、今まで見えなかった新しい発見をもたらすこともあります。

KISEKIという包丁

貝印の「旬classic」も切れ味がすごそうですけど、

興味があるのは、ダイヤモンドの次に硬い素材で、驚くほどの切れ味を誇る、福田刃物工業が開発した「KISEKI:(キセキ)」という包丁です。

この包丁は、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ超硬合金という特殊な素材を刃に使用しており、食材の繊維を潰すことなく、スパッと切れるのが特徴です。

その切れ味の持続性から「研がなくてもよい包丁」ともいわれています。

非常に人気が高く、生産が追いついていないため、現在申し込んでも1年以上の待ち時間が発生しているようです。

また、「KISEKI:」の包丁で切った食材は、切り口がなめらかになるため、食材本来の旨みや水分が閉じ込められ、「味が美味しくなる」と評判になっています。

切り間違えると指が無くなりそうで怖いですが。

 

 

  

 

  

    

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