

質問:どのようなことをすると「非認知能力」にとってプラスになるのでしょうか?
<岡山大学 中山芳一 准教授>
9歳、10歳を節目にしています。
前頭前野と呼ばれているところが思考したり感情をコントロールするところですが、この前頭前野が非認知能力を司っていると言われています。
「五感の能」は3歳までに大人と同等に発達するのに対し、「思考の能」は3歳までと、9歳から17歳までに大きく発達します。
9歳、10歳を境に非認知能力を育むための子どもとの関わり方が変わってくるといいます。
8歳まで
8歳までは気質が出まくるんです。
多動性・神経質生・衝動性・誠実性など子どもごとに様々な気質を持っています。
子どもごとに異なる気質を把握して理解することが非認知能力を育む第一歩です。
しかし、多くの人がやってはいけない対応をしがちなのです。
落ち着きがないという気質は気質なので、「落ち着きなさい」と言われても落ち着けないのです。
本来の気質を変えようとしてはいけません。
周囲の迷惑や傷つける行動には、すぐその場で具体的に行動自体を注意するようにします。
気質は変えることができないので、気質を肯定してあげることが重要になります。
「落ち着きがない」をどう肯定したら良いでしょう?
「いろいろなものに興味をもてるんだね。」「行動力があるよね。」「元気だよね。」というふうに評価をひっくり返してあげるとよいのです。
すると、自分の強みが分かり非認知能力のベースとなります。
まとめ
8歳までの子どもの気質を肯定するようにする。
気質:
打同性・衝動性・誠実性・神経質生・内向的・外向的など
例:
落ち着きがない(多動性)
・行動力がある
・元気がある など
引っ込み思案(内向的)
・先を見越して考える
・想像力がある など
9歳、10歳から
非認知能力を育む9歳、10歳以降の関わり方
9歳、10歳から前頭前野がぐんぐん育ち始めます。
すると、抽象的な言葉を理解できるようになります。
「優しさ」「思いやり」などの言葉が具体的なことと結びついて理解できるようになります。
また、「科学的思考」や「論理的思考」ができるようになります。
「科学的思考」=現実と空想の区別ができる。
「論理的思考」=矛盾の有無を認識できる。
(子供だましが通用しなくなる。(笑))
ですので、子どもに対して矛盾のない対応が必要となってきます。
自己客観視
自分を客観的に見ることで、自分自身をコントロールする力が身につくようになります。
自分や周囲の状況を見て、どうすべきかを意識して行動することができます。
この頃から「落ち着いてくる」
落ち着く=自制心・忍耐力(非認知能力)がついてきたと周囲から評価されるようになります。
自己客観視を鍛えるには?
日記を書くようにします。
日記を書くことで自分自身を認識できるようになります。
別に書かなくても、今日の出来事などを話すだけでもいいのです。
振り返りの重要性
自分に起こった出来事を日記に書いたり話たりすることで自己客観視できます。
これを繰り返すことで、自分に必要な非認知能力を育むことができるのです。
中高生から
中学生・高校生も自分に起こった出来事を言語化することが非認知能力を高めるのに効果的です。
言葉にすると自覚できるし意識もできます。
またそれらのことを現実的な行動に移せるようになります。

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