事故やスポーツにより骨折や脱臼したことによって末梢神経系が損傷を受けた場合、断食によって治癒させる方法が確立されようとしています。
長時間にわたり何も食べないことが治癒力を高めるということが分かってきました。
普通、哺乳類の末梢神経系ニューロンの再生はとても遅く、なかなか治らないとされています。
インペリアル・カレッジ・ロンドン脳科学部のシモーネ・ディ・ジョバンニ教授は、断続的な断食は傷の修復と新しいニューロンの成長にも関係があることが分かってきたと言います。
坐骨神経を損傷させたマウスを用意し、半数のマウスには断続的な断食をし、残りのマウスには自由に食事ができるようにしました。
24~72時間後に神経の回復具合を観察すると、再生したニューロンの軸索の長さは、断食させたマウスのほうが約50%も長かったそうです。

神経細胞(ニューロン)
カロリー制限(断食も含む)によって、「長寿遺伝子」や「抗老化遺伝子」と呼ばれるサーチュイン遺伝子が活性化するということも報告されています。
つまり、若返るということです。
有名なお猿さんの実験で証明されています。
カロリー制限をした猿群と、普通に食事をした猿群を比較すると、カロリー制限をしたお猿さんのほうが若々しいのです。
実際の画像をご覧ください。

Aは目が落ちくぼみまなこに生気がありません。
それに引き換えCは目に力がありますよね。
Bは体毛が抜け落ちて痛々しいですね。
Dはもうふっさふさです。
これらの断食は丸一日する必要はなく、よく行われているのは、昼食を12時に摂り、夕食を18~20時の間に摂るというプチ断食です。
朝食を抜き、前日の夕食から翌日の昼食まで16時間空けるというものです。
甲田光雄医師(故人)は、断食を医療に取り入れて、小児がんなどの治りにくい病を治してこられました。
大阪大学の研究チームが甲田病院に調べに来られたけれども、なぜ治癒していくのか解明できなかったと著書で書いておられました。
甲田先生の本の中で、「内の患者の中には、一日に青汁一杯飲むだけでピンピンしている人がいる。」と書いておられました。
えーーー、ほんまかいな?
となり、その患者さんについて情報がないかとずっと探してきましたが、見つけました。
森美千代さんという女性でした。
20代で脊髄小脳変性症を患い、甲田病院の断食療法を受け、1日青汁いっぱいで生活されています。
研究者がこの方を研究対象にしておりまして、「森さんの腸内細菌を調べてみたら、草食動物に近い細菌構成になっていました。」ということでした。
ほんまかいな?
森さんは「食べること、やめました」という本を上梓されております。

かつてのソビエト連邦は、断食療法を国家戦略として研究していました。
ソ連は貧乏だったので、断食で治るというのは好都合だったようです。
しかし、ソ連は崩壊してしまったため、研究は頓挫してしまいました。
残念です。
プチ断食で神経細胞が再生され、内臓の調子も良くなり、若返るのであれば、やらない手はありません。
朝食は抜いて、夕食は20時までに済ましてみましょう!
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