「最近、どうも頭にモヤがかかったようで、考えがまとまらない…」

そんな感覚に心当たりのある若い世代はいませんか？

これまで、集中力や記憶力の低下といった「考えにくさ」は、高齢者や病気の人に特有の問題だと考えられてきました。

しかし、アメリカのユタ大学などの大規模な調査で、驚くべき実態が明らかになりました。

この10年間で、米国の若者の間で「考えにくさ」を訴える人がほぼ倍増していたのです。

📊 衝撃のデータ：若者の「考えにくさ」が急増！

研究チームが2013年から2023年までの全国調査データ（約450万人分）を分析した結果、特に18歳から39歳の若年層で、この問題が深刻化していることが判明しました。

年齢層	2013年の割合	2023年の割合	増加率	増加ポイント
若年層 (18〜39歳)	5.1%	9.7%	約90%増	4.6ポイント増
全体平均	5.3%	7.4%	約40%増	2.1ポイント増
高齢層 (70歳以上)	7.3%	6.6%	わずかに減少	-0.7ポイント減

🚨 注目すべきポイント

・高齢者を上回る若者の割合:

従来、高齢者に多いとされてきた「考えにくさ」の訴えが、現在では若者の方が高い割合となっています。

・「転換点」は2016年:

この増加傾向は、新型コロナウイルス流行より前の2016年頃から統計的に明確に始まり、一貫して上昇し続けています。

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🔎 なぜ、現代の若者の脳に「霧」がかかるのか？

研究チームは、この問題がなぜ若者を中心に拡大しているのか、いくつかの有力な仮説を提唱しています。

1. デジタル環境の過剰な負荷

・情報の洪水と注意力の分散:

スマホやSNSの頻繁な利用、画面の刺激的な切り替わりに慣れてしまい、脳が「じっくり考えるモード」に入りにくくなっている可能性があります。

・「脳の筋肉」の衰え:

記憶をスマホに頼りすぎることが、脳の記憶力を鍛える機会を奪っているという指摘もあります。

2. 生活習慣の乱れ

・深刻な睡眠不足:

若者の間で十分な睡眠時間（8時間以上）を取れている人が少ないという調査結果があり、慢性的な睡眠不足が脳の認知機能に負荷をかけていると考えられます。

・運動不足・食生活の乱れ:

これらも複合的に重なり合い、「頭がぼんやりしてまとまらない」という困難感につながっていると見られています。

3. 社会経済的な要因

・格差の深刻化:

興味深いことに、世帯年収や学歴が低い人ほど「考えにくさ」を訴える割合がおよそ3倍も高いという明確な社会格差が見られました。

経済的・社会的に不利な状況が、脳への負荷を増大させている可能性があります。

💡 この問題にどう向き合うべきか？

この「考えにくさ」は医学的な病名ではありませんが、「集中できない」「記憶が難しい」という主観的な困難感が増加している事実そのものが、社会にとって大きな課題です。

個人の生産性を下げ、将来的に医療的サポートが必要になる可能性もあるからです。

研究チームは、この問題を「個人の努力」や「自己管理」だけで片付けるべきではないと強調しています。

特に社会経済的な格差が明らかになったことから、経済的に苦しい立場にある若者に焦点を当て、社会的な支援策として対策を整備することが求められています。

私たち一人ひとりも、デジタルデトックス、規則正しい睡眠、適度な運動といった生活習慣の見直しを通じて、自分の「脳の霧」を晴らす努力を始めることが大切かもしれません。

　

　

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