スタンフォードオンラインハイスクール校長が語る記憶術
スタンフォードオンラインハイスクール校長 星友啓氏
目次
1.間違いだらけ?あなたの勉強法
2.最新&最強の記憶学習
3.メタ認知とコラボで覚醒させよ
1.間違いだらけ?あなたの勉強法
一般的な勉強法を挙げてみます。
自己説明 重要なポイントを自分自身に向かって説明する
線引き
キーワード 語呂合わせやキーワードを使って記憶する
熟 考
イメージ 学んだことを頭の中で画像のように鮮明にイメージする
読み直し
テスト
インターバル 一度学んだことを時間を開けて勉強し直す
混ぜ合わせ 違う科目やジャンルを交互に勉強する
200以上の研究から脳科学者・心理学者達が上記の効果を評価しました。
最も効果的
テスト / インターバル
しばしば効果的
熟考 / 自己説明 / 混ぜ合わせ
要注意
内容のまとめ / 線引き / キーワード / イメージ / 読み直し
特に、「線引き / 読み直し」は要注意。効果がありません。
逆にテストを行うのは暗記力を高めます。
テストは自分の頭の中で学んだことを思い出すのが良いです。
まとめ:暗記にはテストやインターバル(翌日に思い出す)を利用しましょう!
2.最新&最強の記憶学習
リトリーバルを入れて暗記しましょう。
リトリーバル=自分の頭だけ(ヒント無しで)を使って思い出すこと。
例:目をつぶって何を学んだかを思い出す。
リトリーバルを使って暗記すると、記憶力が1.5~2.0倍上がるという研究があります。
実際の例:暗記を途中で止めて、3つだけポイントを思い出してみる。
リトリーバルを行う際に、学んだことを脳の中から一気に思い起こして言葉に出すことをブレインダンプと言います。
子供が何かを学んだ時に、「今日は何を覚えたの?」と聞いて上げて、ブレインダンプを促すと記憶がアップします。
まとめ:暗記はリトリーバル(何も見ずにに思い出すこと)を利用しよう!
3.メタ認知とコラボで覚醒させよ!
メタ認知=自分の認知活動を客観的に捉えること
例:「自分はこの問題の解き方を知らないな」ということが分かっているということ。
才能よりもメタ認知能力を持っている方が2倍学習効果が上がる。
(才能の2倍の効果があるということ。)
学べると思うとドーパミン(快楽物質)が出ます。
(学ぶことで生き延びる可能性が高まるので脳がそのようにプログラムされてきたようです。)
さらに、間違った時に最も脳が学びやすい状態になります。
間違いに気づき、その驚きで記憶に残りやすくなるわけです。
これを「ハイパー修正効果」といいます。
子供が間違えた時には、子供に注意などせずに、子供が驚くままにしておきましょう。
まとめ:メタ認知を使って、自分がどの部分が苦手なのかを判断してみよう!
間違えた時こそ覚えやすい時!
コラボ
学習していることで満足できる状態を作るには、心の三大欲求に従って動機付けしてあげるとよいです。
心の三大欲求
1.関係性 人とのつながり 人と話せるなど
2.有能生 ❍❍ができるという感じ
3.自律性 自分の意志でやっているという思い
コラボ学習(三大欲求の「関係性」と関連しています。)
1.シェアする(学んだことを人に話すなど)
2.教え合う
3.教える想定で学ぶ
日本の受験では個人戦になりがちですが、コラボ学習の方が効果が上がります。
人一緒にと勉強しているだけでも学習効果が上がります。
まとめ:人とコラボしながら勉強しましょう!
おまけ
答え合わせをする前に、
自信のある解答に❍
多分正解と思う解答に△
自信のない解答に✕
をつけておくようにします。
そうすると、「メタ認知+間違えた時の記憶力アップ」がねらえます。
一日の最後に日記をつけましょう。
学習結果を書いたり、苦手な部分などを書いてもいいです。
メタ認知が進みます。
一日の学習結果をLINEで友達と共有できると、最高のコラボ学習になります。
目標を立てるときにはSMART目標にしよう!
Specific 具体性
Measurable 計量性(数値目標)
Achievable 達成可能性
Related 関連性
Time-bound 期限
単に具体的な目標や数値目標だけになってしまってはいけません。
例えば、
「志望校合格」だけを目標にすると、合格してから何をしていいか分からず、5月病にかかってしまいます。
「志望校合格」+「合格後やりたいこと」or「卒業後に目指すこと」など、将来の自己実現までを目標にしましょう。