スウェーデンというと、個人の幸福追求よりも、全体の幸福追求を優先させた理想の国というイメージはありませんか?
税金は高いけれども、医療も、教育も無料で受けられる最高の福祉国家というイメージです。
2015年、当時のスェーデン首相のステファン・ローベンは、このように言いました。
「私の知るヨーロッパは難民を受け入れる」と。
さらに、
「私のヨーロッパは国境に壁を建てない」とも。
そして実際に、シリア、イラク、アフガニスタンなどの難民16万3000人を受け入れたのでした。
ローベンの後、2022年から首相になったマグダレナ・アンデションは、国内の200万人強(国民の20%強)の難民・移民にこのように言ったのです。
「あなた方が若いなら、高校卒業資格を得て就職するか、進学しなさい」
「スウェーデン語を学んで週何時間かでも働いて」と。
地上で最も寛容な国であるスウェーデンに何が起こったのでしょうか。
ニューズウィーク日本版が報じています。
世界で最も慈悲深いこの国では、過去20年間で、銃による殺傷事件の発生率がヨーロッパ最低レベルから最高レベルに上がってしまったのです。
それは、スウェーデン国内にギャングが溢れかえってしまったのからです。
経済学者ティノ・サナンダジは、
「スウェーデンの長期服役者の53%、失業者の58%が外国生まれで、国家の福祉予算の65%を受給しているも外国生まれの人々である」
と指摘します。
さらに、
「スウェーデンの子どもの貧困の77%は外国にルーツを持つ世帯に起こっており、公共の場での銃撃事件の容疑者の90%は移民系」
だとも指摘しています。
2015年の世論調査では、移民の増加を歓迎する人は58%でしたが、2023年では40%です。
アメリカは1924年に移民が15%に達した時点で、移民への門を閉ざしました。
スウェーデンでは、移民の人口が全体の20%以上を占め、労働移住や家族の呼び寄せで年間10万人のペースで増え続けています。
彼らは、スウェーデンの教育を受けようとしないため、職に就くことができません。
移民の多く住む地区でギャングを組織し、強盗や麻薬の売買などで生計を立てているのです。
アメリカの貧しい地区での青少年のギャング化の過程に酷似しています。
今では、近隣の国にギャングを輸出しているような状態です。
今、スウェーデンは国として機能停止しかけています。
移民の受け入れは、とても複雑な問題を生じさせます。
言語、宗教、習慣、価値観などが異なる人々を受け入れるということは、それなりの準備が必要です。
特に教育は重要であると思います。
教育により、移住先の国の言語を習得し、その上で高度な教育を受けて一人前となり職を得ます。
そのような課程を経て、移民はその国の国民となっていくのだと思います。
我が国の問題点は、「かわいそうだから」という感情論で安易に移民を受け入れようとする点であると思います。
体制の整わないままに大量の移民を受け入れると、日本語を習得してもらう事もできず、教育内容も理解してもらえないでしょう。
その結果、日本語をカタコトしか話せない学歴のない青少年が多く生まれることになってしまいます。
彼らは就職もできずに、裏世界で生きていくしかなくなるわけです。
移民の受け入れによって、北欧諸国、ドイツ、イギリスなどの国々にどのようなことが起こったのかを学ぶべきでしょう。
感情論のみで政策を進めると、移民も国民も不幸になるような気がしてなりません。