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お受験

久々に神戸空港から三宮までポートライナーに乗りました。
計算科学センター駅で40代ぐらいのスーツ姿のお二人が乗車してきました。
理化学研究所の研究者の人達かな?と思って見ていたら、すぐ近くに来られました。
眼の前で会話を交わしておられるので、ついつい会話も聞いてしまいました。
(ほんとは興味を持って聞いてしまいました💦)
お二人には小学生のお子さんがおられるようでした。
ちょっと太り気味の男性が、痩せ気味の男性に対して、
「そろそろ中学受験のことを考えて、そろそろ子供を塾に通わせないといけないと思ってましてね。」ということを話しておられました。
三宮で降車間際に、「親がね、してやれることはそれぐらいですからねー。」とおっしゃってました。
いやいや、「それぐらい」って、なかなかのことをされていると思いますが。
標準語で話しておられたので、東京から来られた方なのかもしれません。

ということで、東京に住む甥二人に聞いてみたら、東京じゃ中学受験は当たり前とのこと。
SAPIXや四谷大塚などの塾に小学3年生ぐらいから通わせるそうです。

お受験塾の費用

ちょっと、費用がどれくらいかかるのか調べてみました。

(いずれも年額)
小学3年生  
日能研 約45万円
四谷大塚 約45万円
SAPIX 約60万円
早稲田アカデミー 約50万円

小学4年生
日能研 約58万円
四谷大塚 約57万円
SAPIX 約74万円
早稲田アカデミー 約74万円

小学5年生
日能研 約109万円
四谷大塚 約107万円
SAPIX 約122万円
早稲田アカデミー 約116万円

小学6年生
日能研 約109万円
四谷大塚 約107万円
SAPIX 約122万円
早稲田アカデミー 約116万円

この他にも色々と費用はかかると思います。
小3から通うとなると、350万円から450万円ぐらいかかりそうですね。
大学の学費と変わりませんね。
四谷大塚やSAPIXなんてその補習塾がありますから、そちらへも通うとなるともう大変です。

お受験クラスを担当した思い出

僕が若い頃勤めていた塾でも「お受験」クラスが有り、夏休みや冬休みには勉強合宿と銘打った泊りがけの特訓にバスを連ねて出かけていました。
朝6時頃に起床し、晩は10時頃に寝るスケジュールなのですが、おきている間は、ほとんどの時間勉強するのです。
多分、小学生じゃないとできないんじゃないかなと思います。
小学生は気分転換が上手で、些細なことでも笑いに変えて、めっちゃ笑ったらリフレッシュできてるんで驚きです。

小学生の算数の問題は、個別の問題ごとに解き方が用意されていたりするので、初見で解くのは難しすぎます。
ですので、あらゆる問題を解いておいて、解き方を知っておく必要があります。
そのためには、かなり多くの問題を解かねばなりません。
その結果、成績上位の子等は、問題を見た瞬間に式を書き出します。

お受験塾に高学年から参加はあり?

そのようなお受験用の塾に、小学5年生や6年生から通うのはありでしょうか?
3,4年生から通っている子達はその間めちゃくちゃ勉強していますので、いきなり5,6年生から入塾しても太刀打ちできない可能性が高いです。
そうならないためにも、遅めに入塾する子は、事前に自分で勉強しておいた方がいいです。

私立中学へ進学する価値はあるの?

そうまでして進学私立に行く価値はあるのでしょうか?
結論としては、価値はあると思います。
理由は、中1~2で中1~3までを終えてしまい、中2や中3から高1の勉強を始めます。
理系であっても高2までには全課程を終了し、高3時は受験レベルの問題ばかり解きまくる訳です。

こんな学習システムに公立の学校が勝てるわけがありません。

以前、東大寺学園中学(奈良県)に通う中学1年生の個別指導をしていたことがありました。
毎週、ものすごい量の難度の高い宿題プリント(解答なし)を持ち帰ってきます。
主に数学の解けない問題を質問してくるのですが、どれも激ムズでした。
学校は「教える所」というよりも、「大量の高度な課題を課してくる所」という役目のようでした。

落とし穴

ご存知と思いますが、「アリの法則2:6:2」というのがあります。
アリの巣の中の2割のアリがよく働き、6割は普通、2割は働かないという法則です。
実際のアリで実験した結果から導き出された法則だそうですね。
働かない2割のアリを取り除くと、やがて働かない落ちこぼれアリが2割生じるというのが不思議な点です。

さて、これと似たことが教育の場でも起こります。
進学私立中学に入学した生徒の一定数が「落ちこぼれ」になってしまうのです。
小学生の頃、「神童」と呼ばれていた子達が1年も立たないうちに「勉強のできない子」になってしまうのです。
彼らは「深海魚」と呼ばれたりします。
天才・秀才の集団の中で、かつて絶頂を極めたプライドと自信が打ち砕かれてしまうのです。
そして、
「あれ?自分ってこんなにできない子だったんだ。」
と脳は書き換えられてゆくのです。
公立中学に進学していたら、「神童」のまま行けたかもしれないのに・・・
同様のことは、公立高校のトップでも起こります。

普通の公立高校からでも合格できます

最近は公立でも、中高一貫校などがあり、よい進学成績を出していますね。
しかし、これらがどんどん進化すると、私立・公立というカテゴリーはどうでもよくなり、「進学校」という同じくくりになって行きそうです。

僕は、東大、京大、医学部以外の進学先であれば、中レベルの公立高校から普通に合格できると思っていますし、そのような実例を多く見てきました。
そのためには、独自に受験勉強計画を立てて、独自にそれを遂行していくというのが一番良いと思います。