スタンフォードオンラインハイスクール校長 星友啓氏
サンフランシスコのベイエリアでは、中3になるまではスマホを持たせないという運動も盛んです。
スティーブ・ジョブズも、子供にはタブレットを持たせなかったという話もあります。
子供にスマホをどのように使わせたらいいのか?
SNSを利用する子は算数や数学の成績が悪いという結果も出ています。
「スマホを子供に渡してもいいのでしょうか?」
星「大丈夫です。」
1.YouTubeなど、動画で学習しましょう。
学習において、マルチメディアによるインプットが効果が認められています。
脳にワーキングメモリというものがあります。
※ワーキングメモリ=作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する能力のこと。
ワーキングメモリには、ビジュアル的なものもあり、音声的なものもあります。
色々な部分を使ってあげるというのが学習効果を上げることになります。
ただし、脳の基礎的な発達は5歳までに90%終えるので、0~5歳までは、動画はできるだけ避けたほうがいいでしょう。
テレビやスマホやタブレットは平面から情報が出てきます。音響も技術が進んだと言っても四方八方から聞こえてくるわけではありません。
やはり、小さな子供は自然の環境の中で遊ぶ事が大事です。
自然の中では前後左右上下から音が聞こえてきますし、映像も見ることができます。
そのことによって、空間認知能力が発達します。
しかし、遊びなど、全体のバランスがしっかり取れていれば、少々(30~60分程度)動画を見ても大丈夫です。
アメリカの小児学会では、一日20分程度以内が好ましいとしています。
2.動画(YouTube等)で学習する時のコツ
タイトル・内容を一旦ざっと頭に入れてから見る。
メタ認知をさせておくのです。
本を読むときも、目次を見渡してざっと覚えてから読み出すと、2倍程度理解が進むという研究があります。
動画の場合もそれと同じです。
その他の工夫としては、
5分毎に止めて振り返る。(見た内容を思い出す。)
親子で動画を見ている場合は、「今のどう思う?」「どうなったんだろう?」などと問いかけ(プロンプト)をしてあげると記憶効果が高まります。
動画の速度は1.5倍までが限度です。
3.学習に向かないだめな動画
①字幕付き
②超リアル画像
③萌キヤラ
①字幕付きの動画は、ワーキングメモリをパンクさせてしまうので学習に向いていません。
ワーキングメモリがパンクすると、「もう、いや!」「つかれた!」となってしまいます。
②超リアル画像も同様に、ワーキングメモリをパンクさせてしまいがちです。
③萌キャラが出てくる動画は、学習ではなく萌キャラにメモリを使ってしまうので、学習用動画として向いていません。
まとめ
5歳以上の子供にスマホを見せても構わない。
YouTubeなどの動画教材は学習効果が高いです。
全体像を頭に入れてから視聴しましょう。
途中で度々止めて、何を学習したのか口頭で述べてみましょう。
字幕付き・リアル画像・キャラ付きの動画は避けましょう。