1. なぜ私たちは「集中」が苦手なのか?

私たちの脳は、本来ひとつのことに集中するようには作られていません。
生き残るための「散漫」
原始時代、狩猟や採集をしていた人類にとって、周囲の変化にすぐ気づくことは生死を分ける重要な能力でした。
「一点に集中しすぎて背後のクマに気づかない」人は生き残れなかったのです。

つまり、現代の私たちが注意散漫なのは、優秀な生存本能の名残といえます。
現代社会は「報酬」の誘惑だらけ
さらに現代では、スマホの通知やSNS、ショート動画など、脳にとって「手軽で即座に得られる報酬」が溢れています。

脳はこれらを魅力的な刺激として認識し、本来やるべきタスクよりも優先してそちらへ意識を向けてしまうのです。
2. 脳をやる気にさせる「ドーパミン」活用術
集中力を維持するカギは、脳内の神経伝達物質「ドーパミン」にあります。これは「やる気ホルモン」とも呼ばれ、達成感を得ることで分泌されます。
脳にこまめに「報酬」を与える具体的な方法は以下の3つです。
🔵スモールステップ(小さなゴール)の設定
「レポートを完成させる」ではなく、「まずは1ページだけ書く」「図を1つ入れる」など、作業を細かく分解しましょう。
達成するたびに脳が成功体験を感じ、次の意欲が湧いてきます。
🔵自分への「ご褒美」を予約する
「1時間集中したらお気に入りのコーヒーを飲む」「3つのタスクを終えたら動画を1本見る」といったルールを作ると、脳が作業に対してポジティブなイメージを持ちやすくなります。
🔵ゲーム化する
「25分間でどこまで進めるか挑戦」など、タイムアタック形式にすると集中すること自体が楽しくなります。
3. 「注意リソース」の限界を知る
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの研究でも示されている通り、人間の「注意リソース(エネルギー)」には限界があります。
一般的に、高い集中力を保てる時間は平均して25分ほど。
リソースが枯渇する前に回復させるのが賢い戦略です。
おすすめ:ポモドーロ・テクニック
イタリアの起業家が考案した「25分の集中 + 5分の休憩」を繰り返すメソッド。
- メリット1: 「25分だけなら」と作業に取りかかりやすくなる。
- メリット2: 短い休憩を挟むことで、脳のリソースが回復し、長時間の作業でもパフォーマンスが落ちにくい。
↓ポモドーロの過去の記事です
4. 最大の敵「デジタル誘惑」を物理的に断つ
ハーバード大学の研究(2017年)によると、スマホの通知を一度チェックするだけで、元の集中状態に戻るまでに約20分かかると言われています。
意志の力で我慢しようとするのは非効率です。
環境を整える工夫をしましょう。
①スマホを別室に置く: 視界に入らないだけで脳の負担が減ります。
②通知を完全にオフにする: 「おやすみモード」などを活用しましょう。
③SNSの時間を決める: 「チェックは昼休みと20時以降だけ」と決め、脳に今は作業時間だと認識させます。
※もしスマホを離すことが苦痛すぎて私生活に支障が出る場合は、現代特有の「デジタル依存症」の可能性もあります。
その場合は専門家のアドバイスを受けることも検討しましょう。
まとめ:今日から「集中力の達人」へ
集中力は「根性」ではなく「仕組み」で決まります。
🔵ドーパミンを味方につけて、作業を細かく区切る。
🔵注意リソースを節約するため、ポモドーロ・テクニックを取り入れる。
🔵環境を整えて、スマホの誘惑を物理的に遮断する。
まずは次の25分間、スマホを置いて「小さな一歩」から始めてみませんか?
👄私たちは気が散る、報酬をもらえるから行動する
このテーマについては過去に何度か取り上げてきました。
ヒトは生き延びるために気が散るように作られており、気が散ると報酬がもらえるわけです。
トムソンガゼルが川の水を飲んでいると、ナイルワニに襲われるという映像を時々目にしますが、やはり水を飲むのに集中し過ぎている個体が食べられてしまいます。
ですので、気が散ることによってドーパミンの報酬が与えられるならば、集中することにって、報酬系以上の報酬を自らが与えてやるという仕組みを作るというのがよいでしょう。
ポモドーロについての過去の記事は以下をクリックくださいませ。
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