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進化はすごい

以前、アリに寄生する槍形吸虫のお話をいたしました。→こちら

本当にすごい生物でした。

  


今回は、アリに寄生するカビのお話です。

イギリスの菌類学者のハーリーエバンスが対の熱帯雨林で、葉の裏に逆さまになっているアリを見つけました。
そのアリの頭部から、カビの子実体(茎みたいなもの)が下に向かって伸びていました。

いわゆる、冬虫夏草とよばれるものです。
その後、ペンシルバニア州立大学のの昆虫学者であるデイビッド・ヒューズ博士は、この寄生カビのライフサイクルを発見しました。

カビがアリの行動を操るという内容でした。
タイのオオアリは木に穴を開けて巣にしています。

カビに感染したアリは、木を降りて地面に生えいている草を探します。
そして、生えている草に登り、ちょうど地面から25センチのところにある葉っぱの裏側にぶら下がるのです。

そして、アリは落ちないように上顎で葉脈に噛みついて死を迎えます。
葉に穴を開けるほどしっかりと噛みつくのです。

ヒューズ博士は、カビの菌糸体がアリの上顎の筋肉に浸透して、筋肉を収縮させた結果葉の葉脈を噛む様になるということを発見しました。

つまり、アリの脳は正常に働いているのだけれど、勝手に顎が閉まってきたという感じです。怖💦
その後4~10日間でカビはありの体全体に広がり、子実体(茎みたいなもの)が頭を破って長く伸びるのです。

 

驚くべきは、アリが登る葉は地面からほぼ25cmの高さで、湿度は94~95%、気温は20℃~30℃でした。
そのへんの空間は、カビが成長しやすい条件が揃っています。

ためしに、葉に噛みついて死んだアリを25cmよりも低い位置に置いたところ、カビは十分に育ちませんでした。

では、どうやって、25cmの高さにある葉までアリを導いていくのでしょうか?
これまでは、脳に影響して目的地まで案内するものと思われてきました。
まさに、ゾンビアリ菌です。

しかし、実際はそうではなかったのでした。
ゾンビ化したアリの脳には、ゾンビアリ菌の菌糸体は全くなかったのでした。

その後の研究で、アリの体中の筋肉に菌糸がまとわりつき、アリを歩ませていたことが分かりました。

ひええええ~~~😨
それはそうとして、どうやって地上からの高さ25cmの葉っぱに誘導するんだよ???

進化というのは恐ろしいですねー。

進化とは、獲得するものではないので、ある時にDNAが傷ついたりして突然変異が起こり、色々な形態の生物が誕生してくるうちに、その時の環境に最も適応した個体が生き残って子孫を増やした結果ということだと思います。

しかし、槍形吸虫とか、今回の冬虫夏草の菌などのように、複雑なストーリーを完成させるような進化ってすごいですよね。

ちょっとずつ改良されたと言うよりも、
ある時に、すんごく変だけど、子孫を残すには有効な個体が突然出てくるんじゃないかと思われます。

 

ウイルスや菌類が人間に感染して終末を迎えるというストーリーはありがちです。

「スーパーディープ」という映画でも、地下12000メートルを調査していた調査隊が、そこ生息していた菌類に侵され、全身がきくらげみたいになるという姿が示されていました。

 

追記

ロシアの前身のソビエト連邦時代に、地球の真ん中までどんどん掘ってみようぜ!という企画があり、 コラ半島超震度掘削坑で実際に12000メートルまで掘ったようです。

すると、地獄から湧き出るような声が湧き上がってきて、掘削をやめたという噂話が広まっています。

実際は資金が厳しくなって事業停止になったという頃らしいのですが、地獄の声に興味を惹かれます。

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