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能力に遺伝がどれくらい関わっているかの判断は難しい

 

前回の振り返り

前回は、「8歳までは子どもの気質を読み取って、その気質を肯定するようにしましょう。」

「9歳10歳からは、論理的思考のもとに育て、日記などを書いてもらい自分を客観視できるようにしましょう。」

つまり、子どもにメタ認知させようというお話でした。

子どもの得点は遺伝のせいか?

さて、子どもの得点をどう分析するかについて、もう一度振り返ってみたいと思います。

学力に及ぼす遺伝の影響は、だいたい50%程度でした。

例えば、80点の子と30点の子がいた場合、50点分のばらつき(差)があります。

その差の半分(25点分)は遺伝による影響が考えられるということになっています

残り半分(25点分)は勉強時間や勉強内容などの他の影響と考えられるということです。

簡単には見極められない

ややこしいのは、30点だった子が実は学力の高い遺伝子を持ちながら、全くテスト勉強をしていなかったために30点を取ったということもありうるということです。

統計ではなく、個々の子どもに焦点を当てた場合、上記のような事例を含めて判断がつかなくなってしまうのです。

なぜテスト勉強をしなかったのか?その理由は様々でしょうが、

・集中力が足りなかった

・学習意欲が沸かなかった

ということが理由であったとしたら、それらは、「非認知能力」が欠けていたということになります。

非認知能力についての遺伝の影響も50%程度と言われています。

やはりここでも遺伝が絡んできます。

しかし、学習意欲についても、

算数については学習意欲が沸かないけれども、

社会については学習意欲が湧く

という場合もありうるわけです。

結局、ある特定の遺伝子が発現して、その子のある特定の能力が高い状態になっているという事実を見極めるのは大変難しいということになるのです。

「あー、この子は数学の才能があるな。」とか「絶対音感が備わっているよね。」とか、才能が出ちゃった子は分かりやすいです。

ところが、何の才能も見当たらないと思われる子が、実は才能を隠し持っていて出していないだけというのを見つけ出すのは大変難しいのです。

自分なりの結論

自分なりの結論を述べさせていただくと、

「大抵の場合の差は、努力で埋まりそうだ。」ということではないかと思います。

際立つ遺伝子を持った人は少ない

以前、塾部門を手伝ってもらっていたS君という大学院生がいました。

彼は片田舎出身で、彼は高3まで文系クラスに居ました。

誰も大学進学しない環境の中、お金をもらえて勉強できるという理由で防衛大学に入りました。

(防大の文系は難しいです。)

1年間お金をためて、京都大学の数学科にサクッと合格しました。

防大のめちゃくちゃ忙しい日々を過ごしていながら普通に入試に合格したのです。

その後10人しか進学できない教授コースに選ばれ、それも途中でやめて、日本の超大企業の最先端研究所員に応募して選ばれました。27人の内彼一人が日本人だったそうです。

「これから会話が英語になるのいやだなー。」と言ってましたが、彼なら普通にこなせるでしょう。

こういう事例を目の当たりにすると、

「世の中遺伝子しか勝たん!」

と思ってしまうのですが、このような事例は本当に少ないと思います。

僕も見なかったことにしています😂

非認知能力を高めましょう

さて、皆様、以下に挙げた非認知能力を高めてまいりましょう。

 自己認識 やり抜く力、自分を信じる力、自己肯定感
 意欲 学習志向性、やる気、集中力
 忍耐力 ねばり強く頑張る力
 セルフコントロール 自制心、理性、精神力
 メタ認知 客観的思考力、判断力、行動力
 社会的能力 リーダーシップ、協調性、思いやり
 対応力 応用力、楽観性、失敗から学ぶ力
 クリエイティビティ 創造力、工夫をする力

非認知能力にも諸説あり、

例えば、「セルフコントロール」を認知能力とする専門家もおられます。

非認知能力の高め方

子どもの場合

  • 子どもの興味関心を尊重し、積極的に応援する: 子どもが「やりたい」と感じたことを、危険でない限りは止めずに挑戦させる。夢中になる経験は、集中力、忍耐力、創造性、自己肯定感を育みます。
  • 「自分で決める」経験をさせる: 日常の様々な場面で、子ども自身に選択させ、決定権を与えることで、自己肯定感や自律性を育みます。
  • 失敗を肯定的に捉え、挑戦をサポートする: 失敗しても責めたりせず、「もう一度やってみよう」「どうしたらうまくいくかな」と前向きな声かけで、粘り強さやレジリエンスを育みます。失敗から学ぶ経験は非常に重要です。
  • 家事や料理のお手伝いをさせる: 責任感や自己制御力を養う良い機会になります。協力することや感謝される経験も大切です。
  • 豊かな日常会話を心がける: 子どもの話をよく聞き、感情を話し合ったり、絵や言葉で表現する機会を提供することで、自己認識や他者との共感力を深めます。
  • 読み聞かせをする: 絵本の世界を自分で考える想像力、登場キャラクターへの共感力、倫理観などを養います。
  • 体を動かす遊びや、工夫が必要な遊びを取り入れる: ブロック、積み木、粘土、パズルなど、創造力、集中力、問題解決能力を育む遊びを奨励します。外遊びでは、自然への対応力や仲間との協力性を育めます。
  • 我慢する機会も必要: 過保護になりすぎず、適切な範囲で我慢する経験をさせることで、自制心を養います。
  • 習い事を活用する: 運動系の習い事では協調性や礼儀作法、芸術系では創造力や自己表現、プログラミングでは論理的思考力や粘り強さなど、様々な非認知能力が育まれます。
  • 家庭や地域と連携する: 多様な体験機会を提供し、社会性や自己肯定感を育む。

大人の場合

  • メタ認知や内省力を高める: 自分の思考や感情、行動を客観的に見つめ直し、価値観や言動を振り返ることで、自己理解を深め、行動改善につなげます。日記を書いたり、定期的に振り返りの時間を持つことが有効です。
  • 具体的な目標を設定し、計画的に実行する: 伸ばしたい非認知能力を特定し、それを高めるための具体的な行動目標を設定します。数値化や可視化できる目標に落とし込み、計画的に実践することで、目標達成力や実行力を高めます。
  • 人から積極的にフィードバックを受ける: 他者からの客観的な視点を得ることで、自分の非認知能力の現状を把握し、足りない部分や改善点を知ることができます。職場での1on1やメンター制度を活用するのも良いでしょう。
  • メンタリングやコーチングを活用する: 専門家によるサポートを受けることで、自己理解が深まり、発想や思考法を見直すきっかけになります。
  • 伸ばしたいスキルに対して「型」をインプットする: 例えば、課題解決力を高めたいならロジカルシンキングのフレームワーク、発想力を伸ばしたいならアイデア創出のためのフレームワークなどを学び、実践を繰り返すことで自分の力にしていきます。
  • 視野を広げ、多様な経験をする: 経験したことのないことに挑戦したり、異なる分野の人と交流したりすることで、新しい視点やアイデアを得て、柔軟な思考を養います。
  • 協働学習やディスカッションに参加する: 他者と意見交換することで、コミュニケーション能力や異なる考えを受け入れる柔軟性を鍛え、より創造的な思考を促します。
  • 失敗や挫折を乗り越える経験を積む: 失敗を恐れず、積極的に挑戦する機会を設けることで、レジリエンスや問題解決能力を育みます。
  • 自己肯定感を高めるフィードバックを工夫する: 自分の努力や成長を認め、肯定的な言葉で自分自身にフィードバックを与える習慣をつけます。

 

 

  

 

  

    

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